ヴィブラムのソールに張り替えてくれる人気店「RESH.」ヴィブラムのメガグリップに張り替えていたら怪我もしなかった⁉︎
今回のお話を伺った榊 圭さん(左)と髙田清貴さん(右)。
シューズリペアを専門にされている「RESH.」の榊 圭さんと髙田清隆さんのお話もついに最終回。今回はおふたりが日常生活で誰もが遭遇するようなリスクをヴィブラムのメガグリップに張り替えれば、回避できるのではないか? というお話から伺います。
「ヴィブラムの「メガグリップ」の滑らない特性を受験のお守りにしたらいい」と榊さん。
榊 髙田の推しの素材はありますか?
髙田 どんな部材にしても、ヴィブラムであれば、お客さまに安心していただけています。履く人の生活やシーンにもよりますが、個人的に感動しているのはヴィブラムのメガグリップですね。柔らかいのに、加工していても優秀といいますか、強度がある材料のときはたいてい硬くて加工しづらくなりがちですよね。ヴィブラムは強度があるのに加工がしやすいのも特長です。靴によって向き不向きの材料ってあります。この靴を直したいけれど、この材料だと剥がれる可能性があるとか、靴にストレスを与えてしまう、など靴によっての相性ってありますね。柔らかい靴に対して、強度を出したい、とかグリップ力を上げたいという要望があった場合、ヴィブラムは粘り気がとてもあって、靴のアッパーに添いやすい部材なのです。靴の相性に幅が出て、喜んでいただけて、加工もしやすいですね。
榊 メガグリップの体験コーナーがありますよね。50cm四方くらいの平で滑る石材が斜めに置かれて水が流れるのですが、左右のデザインは一緒で片足はメガグリップのコンパウンドで、片足はタウン用のコンパウンドの靴を履くとグリップ力が左右でまったく違うことを体験できます。あれを体験してしまうとメガグリップのことを誰にでも話したくなりますね。(野口啓代さんのインタビュー第3回で体験の様子が見られます)思いつきですが、メガグリップのコンパウンドで受験の滑り止めのお守りつくったら売れますよね?(笑)
※コンパウンド=ゴムなどのソールの素材の配合。
髙田 どんな部材にしても、ヴィブラムであれば、お客さまに安心していただけています。履く人の生活やシーンにもよりますが、個人的に感動しているのはヴィブラムのメガグリップですね。柔らかいのに、加工していても優秀といいますか、強度がある材料のときはたいてい硬くて加工しづらくなりがちですよね。ヴィブラムは強度があるのに加工がしやすいのも特長です。靴によって向き不向きの材料ってあります。この靴を直したいけれど、この材料だと剥がれる可能性があるとか、靴にストレスを与えてしまう、など靴によっての相性ってありますね。柔らかい靴に対して、強度を出したい、とかグリップ力を上げたいという要望があった場合、ヴィブラムは粘り気がとてもあって、靴のアッパーに添いやすい部材なのです。靴の相性に幅が出て、喜んでいただけて、加工もしやすいですね。
榊 メガグリップの体験コーナーがありますよね。50cm四方くらいの平で滑る石材が斜めに置かれて水が流れるのですが、左右のデザインは一緒で片足はメガグリップのコンパウンドで、片足はタウン用のコンパウンドの靴を履くとグリップ力が左右でまったく違うことを体験できます。あれを体験してしまうとメガグリップのことを誰にでも話したくなりますね。(野口啓代さんのインタビュー第3回で体験の様子が見られます)思いつきですが、メガグリップのコンパウンドで受験の滑り止めのお守りつくったら売れますよね?(笑)
※コンパウンド=ゴムなどのソールの素材の配合。
「地面をしっかり噛んでくれるコンパウンド(ゴムの配合)」とヴィブラムの「メガグリップを大絶賛する髙田さん。
髙田 それくらい滑らない実感があるものってないですよね、メガグリップ以外で。だから、ヴィブラムのメガグリップに張り替えるのはお勧めできますね。加工していてもわかります。削りを入れているときにこの粘り気は相当噛むだろうな、ってね。
榊 削りの回転は一定なので、部材によって負荷が変わるのは作業していてわかります。
髙田 メガグリップは良い意味で加工しづらい。サクサク削れるゴムじゃないので。
榊 ヴィブラムの修理の部材はカッターが入りやすいとか作業工程に対しても考えられていて良くできているのですよ。イタリア人のモノづくりに対する考え方なのでしょうね。作業現場やユーザーの使い勝手で起こっている事象や問題に対して日々対応しているのだと思います。
髙田 メガグリップがあったら、と思うシーンも多いですよね。雨の日に革底で歩いていて滑って肘を打ったという話もよく聞きまし、ぼくもツルツルになったブーツを履いていて滑って転んで肘を打ったことがあります。ソールをヴィブラムに張り替えていれば、人生変わっていた、というくらいのことは大袈裟ではなく、あると思います。
榊 ヴィブラムのソールに張り替えていれば人生が変わっていたということはあるでしょうね。真面目な話になりますが、ご高齢の方が何かのきっかけで滑って転んで、それで怪我や骨折をされて、寝たきりになってしまったとか、病気になってしまったという話は聞きます。人生が滑って転んで変わるってあると思います。登山に行くという人たちは自分たちで危機管理しているから、不意の事故って少ないと思いますが、ほとんどの人が一般の道を歩いていますよね。そこで滑ることはあるわけです。それをしっかりサポートすることで、つまり滑らないヴィブラムのソールに張り替えて、転ばぬ先の杖ならぬ、転ばぬ先のヴィブラムのソールですね! 事前に防げる事故はあると思います。
髙田 日本の検査はしっかりしていると思いますが、結構脆い底材もあります。最終的に大きなリスクが返ってくるのが靴ですね。バッグや洋服にはそういうリスクはないですが、靴にはありますよね。その足元を任せられているのがぼくたちの仕事だと思っています。
榊 削りの回転は一定なので、部材によって負荷が変わるのは作業していてわかります。
髙田 メガグリップは良い意味で加工しづらい。サクサク削れるゴムじゃないので。
榊 ヴィブラムの修理の部材はカッターが入りやすいとか作業工程に対しても考えられていて良くできているのですよ。イタリア人のモノづくりに対する考え方なのでしょうね。作業現場やユーザーの使い勝手で起こっている事象や問題に対して日々対応しているのだと思います。
髙田 メガグリップがあったら、と思うシーンも多いですよね。雨の日に革底で歩いていて滑って肘を打ったという話もよく聞きまし、ぼくもツルツルになったブーツを履いていて滑って転んで肘を打ったことがあります。ソールをヴィブラムに張り替えていれば、人生変わっていた、というくらいのことは大袈裟ではなく、あると思います。
榊 ヴィブラムのソールに張り替えていれば人生が変わっていたということはあるでしょうね。真面目な話になりますが、ご高齢の方が何かのきっかけで滑って転んで、それで怪我や骨折をされて、寝たきりになってしまったとか、病気になってしまったという話は聞きます。人生が滑って転んで変わるってあると思います。登山に行くという人たちは自分たちで危機管理しているから、不意の事故って少ないと思いますが、ほとんどの人が一般の道を歩いていますよね。そこで滑ることはあるわけです。それをしっかりサポートすることで、つまり滑らないヴィブラムのソールに張り替えて、転ばぬ先の杖ならぬ、転ばぬ先のヴィブラムのソールですね! 事前に防げる事故はあると思います。
髙田 日本の検査はしっかりしていると思いますが、結構脆い底材もあります。最終的に大きなリスクが返ってくるのが靴ですね。バッグや洋服にはそういうリスクはないですが、靴にはありますよね。その足元を任せられているのがぼくたちの仕事だと思っています。
ヴィブラムにソールを張り替えたスニーカーがリペアの見本として陳列されていた。
榊 スポーツに例えると良いのかもしれません。フィジカル以外の機能で差が出る武器が靴だと思います。サッカーにしても雨の日と晴れの日でスパイクを履き替えますし、バスケットもコートの滑り具合でシューズを変える選手もいます。
髙田 履きやすい靴って値段ではないと思います。自分の足に馴染んで、履き良くて、という靴の底がすり減ってしまうこともあります。それをグリップが良いソールに張り替えることで靴という相棒がもっと長く、もっと安心して履ける。どんな靴でもやりようがあって、好きな靴を修理できて、また履けて、愛着が湧くということをもっと広めたいですね。ぼくたちが提案する「靴を修理して履く文化を創る」につながると思います。
榊 そういいつつも、難しい案件もあります。スニーカーのメーカーが独自の底材をつくっていて、その型が再現できなくて難しかった経験がありますね。インソールが入るスペースがある靴底で、それがステッチダウン(アッパーを外側に吊りこみソールと縫い付ける、歴史の長い製法)でついているので、それを外しちゃうと窪んだインソールが入るものがつくれないわけです。特殊な形状のものは再現がしづらいですね。
髙田 どこまでするか、という問題もありますよね。ラバーのブーツのアッパーがパキパキに割れていて、縫っても縫えない。アッパーのコンディションが限界でもお客さんがまだ履きたいという場合にお応えできるのか、ということもありますね。「RESH.」というブランドが靴を好きな人の駆け込み寺ではないですが、最後の砦としてなんでも頼ってくれる、それをなんとかするということを誇りに思って作業しています。もっと新しい技術、新しいやり方を探して、もっとお応えできる幅を広げたいですね。自分の得意のスニーカーにしても、その部門でこういう靴ならこういう直し方がある、それを社内にフィードバックするということをすることでどこでも同じクオリティのサービスが受けられるようにしたいですね。
榊 靴を大事にしすぎて、先にケアをやっとかないといけないって神経質にならず、靴だからもっとガンガン履いてもらって、「RESH.」がきれいに直すから、安心して履いてほしいと思いますね。ものを大事するのは大切なのですが、もっとラフに履けないと靴の価値が薄れます。シューリペアをもっとたくさんの人に知ってもらいたいですね。
髙田 シューリペア業界全体を盛り上げて、その中で「RESH.」が引っ張っていく存在にならないと! 烏滸(おこ)がましいですが。
髙田 履きやすい靴って値段ではないと思います。自分の足に馴染んで、履き良くて、という靴の底がすり減ってしまうこともあります。それをグリップが良いソールに張り替えることで靴という相棒がもっと長く、もっと安心して履ける。どんな靴でもやりようがあって、好きな靴を修理できて、また履けて、愛着が湧くということをもっと広めたいですね。ぼくたちが提案する「靴を修理して履く文化を創る」につながると思います。
榊 そういいつつも、難しい案件もあります。スニーカーのメーカーが独自の底材をつくっていて、その型が再現できなくて難しかった経験がありますね。インソールが入るスペースがある靴底で、それがステッチダウン(アッパーを外側に吊りこみソールと縫い付ける、歴史の長い製法)でついているので、それを外しちゃうと窪んだインソールが入るものがつくれないわけです。特殊な形状のものは再現がしづらいですね。
髙田 どこまでするか、という問題もありますよね。ラバーのブーツのアッパーがパキパキに割れていて、縫っても縫えない。アッパーのコンディションが限界でもお客さんがまだ履きたいという場合にお応えできるのか、ということもありますね。「RESH.」というブランドが靴を好きな人の駆け込み寺ではないですが、最後の砦としてなんでも頼ってくれる、それをなんとかするということを誇りに思って作業しています。もっと新しい技術、新しいやり方を探して、もっとお応えできる幅を広げたいですね。自分の得意のスニーカーにしても、その部門でこういう靴ならこういう直し方がある、それを社内にフィードバックするということをすることでどこでも同じクオリティのサービスが受けられるようにしたいですね。
榊 靴を大事にしすぎて、先にケアをやっとかないといけないって神経質にならず、靴だからもっとガンガン履いてもらって、「RESH.」がきれいに直すから、安心して履いてほしいと思いますね。ものを大事するのは大切なのですが、もっとラフに履けないと靴の価値が薄れます。シューリペアをもっとたくさんの人に知ってもらいたいですね。
髙田 シューリペア業界全体を盛り上げて、その中で「RESH.」が引っ張っていく存在にならないと! 烏滸(おこ)がましいですが。
工具の使い方や部材の質の話など専門的な話もされていた。
「中編」で紹介したニューバランスのリペア。加水分解したボロボロのソールを外し、ヴィブラムに張り替えた。髙田さんのスニーカーに対するプロフェッショナルな技術で古いニューバランスの1400が新しい一足として蘇った。
榊 まだまだシューリペア業界そのものがわかりにくいですよね。何があるのか、どんなことができるのか、いくらくらいできるのか、ということの周知ができていないと思いますね。
髙田 メニュー表があっても、個々の悩みに対応できないこともありますね。右足だけちょっと大きくなってしまった、とか、ここは縫えるの? とか、スタンダードのメニューにない症状はたくさんあるわけです。SNSでいろんな手法が広まってはいます。こういう形でシューズの内側も直せるとかが広がっているので、ぼくら職人も日々アップデートしていかないといけないですね。
榊 リペアした靴の中古シューズ屋があっても良いですしね。
髙田 古いシューズを購入して、ヴィブラムのソールに張り替えて売るポップアップも考えています。
榊 車のレストアではないけれど、格好良く製品としてでき上がったリペアシューズに付加価値が生まれるというのもこれからのシューズ修理の業界にとって大事なことです。「RESH.」は高級靴の修理を得意としています。高級靴の修理をメインに、さらに良いリペアを提供できるように「RESH.」はもっと良くなっていかなければ、と考えています。
髙田 メニュー表があっても、個々の悩みに対応できないこともありますね。右足だけちょっと大きくなってしまった、とか、ここは縫えるの? とか、スタンダードのメニューにない症状はたくさんあるわけです。SNSでいろんな手法が広まってはいます。こういう形でシューズの内側も直せるとかが広がっているので、ぼくら職人も日々アップデートしていかないといけないですね。
榊 リペアした靴の中古シューズ屋があっても良いですしね。
髙田 古いシューズを購入して、ヴィブラムのソールに張り替えて売るポップアップも考えています。
榊 車のレストアではないけれど、格好良く製品としてでき上がったリペアシューズに付加価値が生まれるというのもこれからのシューズ修理の業界にとって大事なことです。「RESH.」は高級靴の修理を得意としています。高級靴の修理をメインに、さらに良いリペアを提供できるように「RESH.」はもっと良くなっていかなければ、と考えています。
RESH.
■「RESH. 渋谷スクランブルスクエア店」
東京都渋谷区渋谷2丁目24番12号 渋谷スクランブルスクエア9F
営業時間:10:00~21:00 年中無休(年末年始の営業変更があります)
電話03-6452-6234
MAIL:shibuya@resh.tv
「RESH.」HP:http://resh.tv/
「RESH.」Instagram:https://www.instagram.com/resh_shoerepair/