ソールをヴィブラムに張り替える人気店「RESH.」。設立から現在までをお話しいただきました。
この道20数年の榊 圭さん(左)とスニーカーの専門家、髙田清貴さん(右)。
良い靴を長く履きたい、という気持ちがあると思います。ものを大切にする想いも相まって、シューズのソールの張り替えの需要は年々高まっています。中でもヴィブラムにソール交換することで古いシューズが刷新することを楽しむ人も多いようです。ドレスシューズやスニーカーといった街で活躍するシューズをヴィブラムのソールに張り替えることでシューズを生まれ変わらせている「RESH.」の榊圭さんと髙田清貴さんにヴィブラムソールへの張り替えについてお話を伺いました。
技術の話題やヴィブラムのコンパウンド(ゴムの配合)の話など話は尽きない。
髙田清隆さん(以下「髙田」と略) 「RESH.」(リッシュ)の名前の由来からいきますか?
榊圭さん(以下「榊」と略) 「靴を修理して履く文化を創る」という理念のもとぼくたちは靴の修理をしています。「RE」というリペアやリユースという意味にシューズの「SH」をつけてシューズを再び履けるようにするという意味が由来です。
髙田 「RESH.」の立ち上げの話が聞きたいですね。
榊 ちょうど高級靴が20年ほど前に流行って、雑誌などでも高級靴が取り上げられて、ぼくたちもその流れに乗ってみようとなり、名古屋の雑居ビルの2階で看板も出さないで「RESH.」は立ち上がりました。最初は集客も難しかったのですが、ブログを書いて、どういう修理をしているのかを発信していったら、看板もない店にお客さんが来るようになりました。そうこうしているうちに高度な技術を持った靴の修理屋さんが増えてきて、その中で百貨店さんに「RESH.」が注目されて、仙台の大手百貨店に入りました。そこから日本橋、銀座、大阪、広島、新潟へと増えて行ったのです。
髙田 仙台が最初というのはどうしてだったのですか?
榊 先に日本橋が決まっていたのですが、仙台がリモデルするタイミングだったので先になったのです。リモデルのときは予算もあるので、ことが運びやすかったわけです。
髙田 仙台はうまくいったのですか?
榊 仙台は実験的なことを試すのに良い街と言われています。その仙台でうまくいったので、日本橋で始める勢いになりましたね。
榊圭さん(以下「榊」と略) 「靴を修理して履く文化を創る」という理念のもとぼくたちは靴の修理をしています。「RE」というリペアやリユースという意味にシューズの「SH」をつけてシューズを再び履けるようにするという意味が由来です。
髙田 「RESH.」の立ち上げの話が聞きたいですね。
榊 ちょうど高級靴が20年ほど前に流行って、雑誌などでも高級靴が取り上げられて、ぼくたちもその流れに乗ってみようとなり、名古屋の雑居ビルの2階で看板も出さないで「RESH.」は立ち上がりました。最初は集客も難しかったのですが、ブログを書いて、どういう修理をしているのかを発信していったら、看板もない店にお客さんが来るようになりました。そうこうしているうちに高度な技術を持った靴の修理屋さんが増えてきて、その中で百貨店さんに「RESH.」が注目されて、仙台の大手百貨店に入りました。そこから日本橋、銀座、大阪、広島、新潟へと増えて行ったのです。
髙田 仙台が最初というのはどうしてだったのですか?
榊 先に日本橋が決まっていたのですが、仙台がリモデルするタイミングだったので先になったのです。リモデルのときは予算もあるので、ことが運びやすかったわけです。
髙田 仙台はうまくいったのですか?
榊 仙台は実験的なことを試すのに良い街と言われています。その仙台でうまくいったので、日本橋で始める勢いになりましたね。
「RESH.」でヴィブラムのソールに張り替え、生まれ変わったニューバランスが飾られている。
髙田 こういった流れの中で「RESH.」は進化していっているのですね。
榊 「RESH.」は「靴を修理して履く文化を創る」ということを大事にしています。靴修理の業界の多くが地域密着の昔ながらの靴修理に対して「RESH.」は高級靴の修理をメインに考えています。この両輪を展開していかないと靴修理の業界自体が広まっていかないと思っています。
髙田 こうした流れの中でソールにも高級感を求められるようになっていくわけですね。
榊 種類が増えて、ソールを選べるようになったことは大きいですね。ヴィブラムのおかげです。革底も数種類、ヴィブラムのご要望があればお取り寄せします。靴修理で確立しているブランドはヴィブラムが唯一だと思います。ブランド価値がありますね。
髙田 ヴィブラムとの連携がうまくいったからヴィブラムの「ソールファクター」に認定されたわけですね。
※イタリアのアウトソールメーカー「Vibram/ヴィブラム」公認のブランドショップをVibram「ソールファクター」という。
榊 そうですね。最初からヴィブラムの張り替えはしていました。あの頃はまだヴィブラムジャャパンもない頃でしたが、ちょっとした偶然が認定店になるきっかけでした。浅草に工場というか事務所をつくったのですが、ふらっと現在のヴィブラムジャパンの社長である眞田くみ子さんが来られたのです。ご自身の靴をぼくがヴィブラムを使って直して、喜んでいただけました。それで関係性ができて、現在に至ります。めちゃくちゃ端折りましたが(笑)。誰かの紹介ではなく、お客さんとして来られたのが嬉しかった! いまから15年くらい前の出来事です。
髙田 当時、靴修理という分野でのヴィブラムの認知度はどんな感じでしたか?
榊 「登山靴に使われている」というくらいは知られていましたが、お客さんとしてはヴィブラムもノーブランドも関係なく、「とにかく減らないやつ」って言われましたね。修理する側からするとヴィブラムはドレスシューズにも合うし、カジュアルでも合う、幅広く修理に適したソールのブランドだと思います。
髙田 好きな靴を履いていたいからソールを張り替えるということは日本ではまだまだ知られていなかったのでしょうか。
榊 履いている靴がダメになって、その場で修理して、待っている間に合鍵を切ってもらう、というスタイルはヨーロッパから日本にはきていました。靴修理は本来そうあるべきだとは思います。「RESH.」はじっくり自分の大事な靴をちゃんと修理して欲しいというお客さまが多いですね。
榊 「RESH.」は「靴を修理して履く文化を創る」ということを大事にしています。靴修理の業界の多くが地域密着の昔ながらの靴修理に対して「RESH.」は高級靴の修理をメインに考えています。この両輪を展開していかないと靴修理の業界自体が広まっていかないと思っています。
髙田 こうした流れの中でソールにも高級感を求められるようになっていくわけですね。
榊 種類が増えて、ソールを選べるようになったことは大きいですね。ヴィブラムのおかげです。革底も数種類、ヴィブラムのご要望があればお取り寄せします。靴修理で確立しているブランドはヴィブラムが唯一だと思います。ブランド価値がありますね。
髙田 ヴィブラムとの連携がうまくいったからヴィブラムの「ソールファクター」に認定されたわけですね。
※イタリアのアウトソールメーカー「Vibram/ヴィブラム」公認のブランドショップをVibram「ソールファクター」という。
榊 そうですね。最初からヴィブラムの張り替えはしていました。あの頃はまだヴィブラムジャャパンもない頃でしたが、ちょっとした偶然が認定店になるきっかけでした。浅草に工場というか事務所をつくったのですが、ふらっと現在のヴィブラムジャパンの社長である眞田くみ子さんが来られたのです。ご自身の靴をぼくがヴィブラムを使って直して、喜んでいただけました。それで関係性ができて、現在に至ります。めちゃくちゃ端折りましたが(笑)。誰かの紹介ではなく、お客さんとして来られたのが嬉しかった! いまから15年くらい前の出来事です。
髙田 当時、靴修理という分野でのヴィブラムの認知度はどんな感じでしたか?
榊 「登山靴に使われている」というくらいは知られていましたが、お客さんとしてはヴィブラムもノーブランドも関係なく、「とにかく減らないやつ」って言われましたね。修理する側からするとヴィブラムはドレスシューズにも合うし、カジュアルでも合う、幅広く修理に適したソールのブランドだと思います。
髙田 好きな靴を履いていたいからソールを張り替えるということは日本ではまだまだ知られていなかったのでしょうか。
榊 履いている靴がダメになって、その場で修理して、待っている間に合鍵を切ってもらう、というスタイルはヨーロッパから日本にはきていました。靴修理は本来そうあるべきだとは思います。「RESH.」はじっくり自分の大事な靴をちゃんと修理して欲しいというお客さまが多いですね。
ヴィブラムの部材が綺麗に並んでいる。
髙田 そういう意味では「RESH.」は男女問わず、きれいめのドレスシューズ、革靴らしい革靴を扱うのが得意です。高級靴の修理専門店として、こだわった靴が好きな方にご利用いただけています。そのこだわりに応えるべく最高の部材と技術と仕上がりにはご満足いただけるようにぼくたちも日々努力です。日本人には元に戻したいという意識が強いと思います。例えば、元は白いソールだった靴を蛍光イエローにするというよりは、あくまでもかった製品の原型のシックなままで良いと考えているお客さまが多く、それが「RESH.」の得意分野にもなっていますよね。
榊 髙田は他業種から「RESH.」を選んでくれたわけだけれど、外から「RESH.」はどう見えていたのですか?
髙田 ただの靴好きの20代でしたが、雑誌でカスタムやリペアが流行っていることを知りました。そのとき「格好良いな」と思ったのです。それで大阪にいたから「RESH.」の難波店に行ったら、その佇まいと雰囲気がこれまた格好良くて、まったくの未経験だったのですが、この店で職人として働きたいな、と思いました。そこにはヴィブラムが飾ってあって、黄色のロゴが入っていて、憧れましたね。
榊 それが今ではスニーカーの専門ですからね。この仕事自体は我の強い人の集まりで、自分で受付して、自分で作業して、自分でお客さんにお渡しするという流れです。だから、みんな俺のほうがうまいと思ってやっているわけです。そこに髙田のような専門分野に詳しい人間が出てきたことは良いことだと思っています。自分がその分野に明るくなければ、お願いできるという存在にまでなっています。我の強い人間が受付して、「これ、俺がやるよりも髙田がやるほうが良いのではないか」と思われています。他の職人から電話でも相談されていますよ。そういう意味ではブーツが得意な人がいたり、ドレスシューズが得意な人がいたりしますが、スニーカーはいろんなブランドがあって、そこでアディダスならこいつが得意とか、ニューバランスはこいつとか、そうなると「RESH.」にとって良いことですね。
(中編に続く)
榊 髙田は他業種から「RESH.」を選んでくれたわけだけれど、外から「RESH.」はどう見えていたのですか?
髙田 ただの靴好きの20代でしたが、雑誌でカスタムやリペアが流行っていることを知りました。そのとき「格好良いな」と思ったのです。それで大阪にいたから「RESH.」の難波店に行ったら、その佇まいと雰囲気がこれまた格好良くて、まったくの未経験だったのですが、この店で職人として働きたいな、と思いました。そこにはヴィブラムが飾ってあって、黄色のロゴが入っていて、憧れましたね。
榊 それが今ではスニーカーの専門ですからね。この仕事自体は我の強い人の集まりで、自分で受付して、自分で作業して、自分でお客さんにお渡しするという流れです。だから、みんな俺のほうがうまいと思ってやっているわけです。そこに髙田のような専門分野に詳しい人間が出てきたことは良いことだと思っています。自分がその分野に明るくなければ、お願いできるという存在にまでなっています。我の強い人間が受付して、「これ、俺がやるよりも髙田がやるほうが良いのではないか」と思われています。他の職人から電話でも相談されていますよ。そういう意味ではブーツが得意な人がいたり、ドレスシューズが得意な人がいたりしますが、スニーカーはいろんなブランドがあって、そこでアディダスならこいつが得意とか、ニューバランスはこいつとか、そうなると「RESH.」にとって良いことですね。
(中編に続く)
RESH.
■「RESH. 渋谷スクランブルスクエア店」
東京都渋谷区渋谷2丁目24番12号 渋谷スクランブルスクエア9F
営業時間:10:00~21:00 年中無休(年末年始の営業変更があります)
電話03-6452-6234
MAIL:shibuya@resh.tv
「RESH.」HP:http://resh.tv/
「RESH.」Instagram:https://www.instagram.com/resh_shoerepair/